ご挨拶
GREETING
理事長再選のご挨拶
2025 年7 月の理事会にて互選の結果、今期もJCR の理事長に再任いただきましたので、そのことを謹んで会員のみなさまにご報告申し上げます。これで3 期目ですので、そろそろ締めくくりのフェーズに入ろうと思います。いくつか実行したいことを記しておきます。五点あります。
◆ 第一点目は放射線科医の数の確保です。我々の専門分野は人数が大幅に不足しており、最低限でも現在の三倍は必要とされています1,2)。
しかし我々のこの認識は政府や専門医機構とは共有されていません。これらの機関では「専門医数は現状維持を基本とする」という方針でプランが描かれており、現状のニーズに合わないだけではなく、将来の需要にマッチする計画ともなっていません3)。
こういう機構の考えのもと都市部にはシーリングがかかり、そのため全国の医学生や研修医が「放射線科医の数は過剰なのだろう」という誤ったイメージを持っています。
このような状況は早急に訂正が必要です。より実情に基づいた必要な放射線科医数を明示し、数の確保に向けて活動をしていきたいと思います。
◆ 二つ目のポイントはコミュニティー(共同体)の形成です。年二回開催されるセミナー(ミッドサマー・ミッドウィンター)への登録者数はコロナ前のレベルまで回復しましたが、現地参加者の数が従前の半数程度で足踏みしています。
私たちはセミナーを通じて最先端の教育を提供するにとどまらず、コミュニティーを形成することも重要な役割の一つと捉えています。
全国の放射線科医がお互いに対話を深めることで我々の領域がさらに発展すると考えるからです。
その目的を達成するため、現地へ足を運びたくなるような仕掛けを作っていきたいと思います。また会員間の対話促進を目指した企画も考えていきたいと思います。
◆ 三つ目のポイントが施設認証です。JCR による自己機能評価の事を耳にされたことがある人も多いと思いますが、本事業はすでに始動しており、現地視察もいくつかの施設
で行いました4)。この事業は今のところ JCR の予算から持ち出しで運営されていますが、健全な事業の継続のためには、いずれ当該施設に審査料をご負担戴く可能性があります
(ですので早めの審査がお勧めです!)。そして、こういった認証制度が将来的には保険償還と連動する事を目指したいと思います。
◆ 四つ目のポイントが自由標榜の撤廃です。これは日本独特のルールであり、専門医制度の存在を無視した制度です5-11)。
本来は一定のトレーニングを受けた専門医のみが、その診療科を標榜可能とすべきです。さらに言えば自由標榜は国民に判りにくく、かつ不誠実です。
したがって、この制度は早く撤廃するべきだと考えます。
このためには日本医師会を含む諸団体と継続的に議論を重ねながら、より透明性の高い制度へと移行できるように活動を続けたいと思います。
◆ 最後に選挙制度です。先般よりJCR ニュースで何回かご案内していますように、当会の選挙制度を欧米の団体が採用しているような民主的で包摂的な方向へ変革する予定
です11-13 )。
新しいシステムのもとでは従来の学閥の原理は最小化され、医局単位で票を集めるような管理選挙が横行しにくくなっています。
この改変により個々の会員の自由意思が直接、結果に反映されることでしょう。
このように民主的な手法で人選をすることにより、強くて元気な団体を作り、業界全体の健全な発展をリードしていきたいと思います。
以上が次の二年間で実行に移したい主たる事柄(五項目)になります。しかし他にも紙面の関係上、書けなかった多数の遂行すべきタスクがあります。
これらをこなしていくには、会員のみなさまのサポートが必須です。
会員のみなさまにおかれましては、委員会メンバーにボランティアとしての積極的な参画をお願いします。
そして、今後ともさらなるJCR への、 ご支援をよろしくお願いします。
一般社団法人日本放射線科専門医会 理事長
山田 惠(京都府立医科大学放射線医学教室)
- 生涯教育の推進
これまで同様にセミナー等を通じて会員の生涯教育に尽力します。対象は主として専門医取得後の医師をレベルアップするところにありますが、それに加えて研修医や学生へも対象を広げていきます。教育コンテンツの電子化,そして内容の充実についても、引き続き努力していきます。 - 多様性の推進
会員の働き方の多様性を推進する立場に立って活動したいと思います。
特に勤務医が自宅から働くことが一般化するように運動していきたいと思います。また理事会メンバーの多様性確保も同時に進めます。男女差について引き続きさらなる改善を目指しますが、同時に様々な年代が執行部に入るように配慮したいと思います。 - 働き方改革
勤務医の負担軽減は社会問題の一部となっており、そういう観点からも診療供給体制のあり方について、様々な提言を行っていきたいと思います。その一環として「自己機能評価システム」を普及させ、施設ごとに自施設の客観的な評価が可能な状態を目指します。これが医療の標準化に資するものとなることを目標の一つとします。 - 向社会的活動の充実
診療報酬の改定に際しては外保連、内保連、日本医師会社会保険診療委員会などと協調して社会保険活動を行います。また他診療科との協調という観点では日本臨床分科医会代表者会議を通じて日本医師会や他科医会・専門医会と協調します。この部分は特に井田前理事長が前面に出て活動いただく予定です。 - 日本放射線科医師連盟の設立
放射線科医が理想とする診療体制を一日も早く実現するため、我々の活動内容を行政や立法府にはたらきかけるべく、連盟を設立し、様々な医療政策について提言を行います。この点についても井田前理事長が中心となって活動を行う予定です。 - 国際交流
外国との交流は我々日本の放射線科医の立ち位置を再確認するのにきわめて重要です。これまで交流のあったACR、BSR、モンゴル、ベトナム、ミャンマーといった各国・各地域との交流活動を継続し発展させます。
また、こういった活動が社会的に認知されるように努力をします。 - 人工知能研究に関するイニシアチブ
今後、臨床に少しずつ入ってくると予測される人工知能のあり方について客観的な評価を加えることができる機関を設立する事を目標の一つとします。アメリカにおけるData Science Instituteに相当する機能を形成する事が最終ゴールです。
以上、七つの目標を掲げました。理事会メンバー一同、放射線医学の健全な発展のために邁進する所存でございます。正会員のみならず、準会員、賛助会員の皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。