理事長挨拶

2015~2021年理事長

一般社団法人日本放射線科専門医会・医会 理事長 井田 正博
(独立行政法人国立病院機構 水戸医療センター放射線科部長)

2015年7月18日より、水沼仁孝・前理事長(那須赤十字病院副院長、放射線科部長)の後任として、日本放射線科専門医会・医会(JCR)の理事長を拝命しました水戸医療センター放射線科の井田正博です。2期目(2017年7月から2019年6月)も引き続いて理事長を務めることになりました。私は中島康雄・元理事長(聖マリアンナ医科大学放射線科)、水沼仁孝・前理事長の時代から理事を務めてまいりましたが、両先生の方針や業績を踏襲しつつ、さらにJCRの充実、発展に貢献したいとおもいます。
JCRも設立から40年以上が経過し、その事業も生涯教育や会員ベネフィットのみならず、社会保険活動や広報活動、さらには国際協調といった広い範囲を網羅するようになってきました。2期目も大西洋先生(山梨大学放射線科)、山田惠先生(京都府立医科大学放射線科)に代表権のある理事長代行をお願いし、共同体制で運営にあたります。
前期に引き続いて、日本医学放射線学会JRSとone communityとして、①放射線科医の増加(勧誘)、②JCR正会員(専門医)および準会員の資質および地位向上、③正しい放射線医療知識の国民への啓発活動と国民の保健・福祉の向上への寄与、を基本目標におきます。 また新たに「男女共同参画」や「働き方改革」についても取り組み、放射線科医のベネフィット増進と、より良いワークライフバランスにむけて尽力します。

  1. 生涯教育事業
    専門医取得後教育、生涯教育のみならず、研修医教育、初期研修医および学生教育にも重点をおきます。教育コンテンツを電子化し、低コストでの内容充実、系統化を図り、より利用しやすいシステム構築を目指します。
  2. 女性放射線科医のエンパワーメント、男女共同参画と働き方改革
    一定割合の女性医師を特任理事や委員に迎え、女性の比率を増やします。女性放射線科医のエンパワーメントにあたっては、男女共同参画の観点から、雇用者や役職者の負担にならないような制度設計を考えます。さらに勤務医の負担軽減のために、放射線科診療体制に適合した働き方改革を提言します。また「自己機能評価システム」を作成し、会員がオンラインで利用できるようにします。
  3. 社会医療保険活動
    国民皆保険制度の維持と発展のために、診療報酬制度改定を通じて、安全で質の高い画像診断、IVR、放射線治療の診療体制の構築を行います。放射線医学・診療に関する調査研究、公衆衛生活動を行ない、国民、患者視点にたった診療体制を提言します。外保連、内保連、日本医師会社会保険診療委員会などと協調して社会保険活動を行います。
  4. 他科との協調
    日本臨床分科医会代表者会議を通じて、日本医師会や他科医会・専門医会と協調し、放射線医学・医療の啓発活動を行います。日本臨床分科医会代表者会議では2016~17年度は代表幹事を勤めます。
  5. 日本放射線科医師連盟との連携
    JCR、JRSの理想とする診療体制を確立するため、JCR、JRSの活動内容を行政や立法府にはたらきかけ、さらには国民に広く紹介するために、日本放射線科医連盟を設立し、JCRと確固たる連携のもと、必要な援助を行います。最新の医療情勢、医療政策についても会員に配信します。
  6. 海外との連携、国際活動
    American College of Radiology: ACRやBalkan Society of Radiology; BSRとの定例会議、定期交流を継続し(山田理事長代行が担当)、またモンゴル、ベトナムへの医療・医学教育の協力活動を継続します。国際活動については、関連する機関、団体に協力を求め、協力活動を認知してもらうよう努めます。
  7. 会員相互間の協調
    JCR主催事業への会員参加をさらに促すために、HPの会員欄の充実を図り、広く会員の意見を集約し、情報交換が可能な組みをつくります。診断専門医、治療専門医が相互に協力し放射線科医の地位向上に努めます。またJCR理事経験者の業績を讃たえ、運営にあたっては特別会員として、アドバイスを受けます。地区ごとの担当理事を決め、各地区の実情や要望の収集、放射線科医会等との連携を図ります。
  8. 実効力のある財政運営と健全化
    会員のベネフィットのために、実効力のある財政運営を行う一方で、財政健全化委員会に財政健全化を諮問し、その都度、健全な財政運営を継続します。

理事会一同、日本放射線科専門医会・医会(JCR)および日本医学放射線学会(JRS)の発展ために邁進する所存でございます。正会員のみならず、準会員、賛助会員の皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

(在任期間:2015/07-2021/06)

2009~2015年理事長

一般社団法人日本放射線科専門医会・医会 理事長 水沼 仁孝
大田原赤十字病院(2009/06掲載当時)
(2012年より那須赤十字病院)

本会(JCR)は日本医学放射線学会により認定された放射線科専門医を正会員とする団体でその組織率は80%以上であり、会員の半数は病院勤務医、1/3が大学病院勤務医となっています。JCRは放射線科医の卒後教育支援と放射線科診療の環境整備を主軸に活動しています。

主たる活動としては各種セミナーの開催があります。ミッドサマーセミナーは毎年7月第3土日に神戸で開催、毎回1000名余が参加、ミッドウインターセミナーは1月第4土日に福岡を中心に開催しています。それぞれ、エキスパートによる講演が行われ、好評を得ています。専門医を目指す若手医師には7月初旬(現在は11~12月に開催)に講習会を開催、また、6月には初期研修医を対象とした画像診断セミナーを行っています。また、教育的な症例や各種ガイドラインはJCRホームページから直接閲覧できるようになっています。

前途有為な放射線科医を育てるため、米国ワシントンDCにあるArmed Forced Institute of Pathology:AFIP(2011年よりACR主導のAmerican Institute for Radiological Pathology:AIRPが主催)で開催される画像-病理比較講座への参加のためのフェローシップを行っています。

放射線科を志す学生や研修医が増加することを目指し、JCRホームページでは放射線科業務の内容とその魅力を伝えるようなコーナーを設け、リクルート活動のための情報提供も行っています。また、女性医師のためのコミュニケーションスペースも設置しております。

 上記以外にも専門医資格更新に便利な会員管理システムの導入(現在はJRSに移管)、適切な診療報酬を得るための活動、国際交流支援活動などに加え、一般の方々へ放射線科医の存在とその価値を理解していただく活動も行っています。

日頃よりJCRの活動にご理解を頂き、様々なご支援をいただいております方々に深く感謝申し上げます。今後もJCRの活動にご期待いただき、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

(在任期間:2009/06-2015/06)