掲載(更新)日時:2020年8月4日

ACR,RSNAの自動AI診断への警告(外部リンク)

要約

本文書は2020年2月25日~26日に開催された「放射線画像における人工知能の進化する役割」に関する米国食品医薬品局(FDA)の公開ワークショップの内容に関して、アメリカ放射線科専門医会(ACR)のコメントである。本ワークショップでは放射線画像における人工知能を用いたソフトの開発の現状、FDAにおける認証、市販後の品質管理などについて議論が行われている。

放射線画像診断領域のAIアプリケーションとしては、CAD(Computer assisteddiagnosis)として画像診断医の診断補助として動作するものと、自動放射線画像診断AI(autonomous radiology AI)と医師の判断を必要としない自動診断が考えられている。特に現時点では自動放射線画像診断AIについての承認は、患者の安全性を担保するためには、リスクが高く、より厳密なテスト、監視メカニズムが要求されるとしている。
AIソフトの場合は市販後にも学習により性能が変化していくので、その変化についてどのように質の管理を行っていくかが話題となっているが、今後の検証プロセスの確立が必要とされている。
自動放射線画像診断AIの新たな可能性としては、他目的で撮影されたCT,MRIなどにおいて診断されていない可能性のある慢性疾患を偶発的に検出および定量化することにより、集団の健康管理において医師を支援するアルゴリズムなどが期待されている。

 

担当理事:渡邉嘉之(滋賀医科大学)


American College of Radiology ウェブサイト:
https://www.acr.org/-/media/ACR/NOINDEX/Advocacy/acr_rsna_comments_fda-ai-evolvingrole-ws_6-30-2020.pdf

FDAによるArtificial Intelligence in Radiological Imaging ワークショップのサイト:
https://www.fda.gov/medical-devices/workshops-conferences-medical-devices/public-workshop-evolving-role-artificial-intelligence-radiological-imaging-02252020-02262020