掲載日:2021年1月14日
再度の新型コロナ感染の拡大に伴い、昨今「抗原検査等で陽性だが、CTで無所見であるため、偽陽性である」とし、感染防護策を解除する運用が行われている事例があります。
ただし、新型コロナウイルス感染症においては、PCR 検査が陽性のクラスター集団でも、無症状例の 46%,有症状例の 20%に、CT 陰性(偽陰性)(無所見)例が存在することが報告されています。
(Inui S. et al. Chest CT Findings in Cases from the Cruise Ship “Diamond Princess” with Coronavirus Disease 2019 (COVID-19). https://pubs.rsna.org/doi/10.1148/ryct.2020200110)
(「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する胸部 CT 検査の指針ver.1」公益社団法人日本医学放射線学会|新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する胸部CT検査の指針(Ver.1.0) (radiology.jp))
以上より、
あくまで、「CTが無所見」は「COVID感染がない」という証明にはならないことを改めて各科へ周知し、有効な感染対策を行うとともに、画像診断レポートには「COVID-19による肺炎の所見は認めないが、COVID-19感染を否定するものではない」との記載の追加が望ましいと考えられます。